
「英語が話せるならうちの部署にきませんか」と誘われたのがパワハラ上司Aとの出会い。業務の内容に惹かれ、今までの部署とは全くの畑違いの部署へ異動しました。
英語のスキルを上げつつ、数年間業務経験を積んだ後、海外の支社に期間限定で出向することになりました。
パワハラ上司Aからは「いつでもどんなときでもサポートするから、不安にならずに行ってもらいたい」と言われ、上司Aに言われるままにバタバタと準備をし、海外支社に飛び立ったのです。
海外支所に行ったものの、思うような成果は残せませんでした。海外支所の社長Bはリタイアメント直前の高齢者。さらに痴呆が入っており、「忘れていた」と予定していたミーティングの予定を何度もすっぽかされ、今からお願いしますと言うと「これから出かける予定がある」などと初日からはぐらかされる始末。
ミーティングをすれば「○○さんの業務のことはわからないから、よしなにやっておいてくれ」と言われ続けました。パワハラ上司Aにメールで相談もしましたが、自分のことで忙しいのか返信やサポートは全くありませんでした。
任期が終わって帰国したのち、海外の顧客とのミーティングの機会があり、会社の経費で食事会を主催しました。顧客が帰った後の静かな飲食店内で、パワハラ上司Aは急変しました。
真っ赤な顔をしながら「おまえは嘘つきだ」と言いながら机を叩き、飲み物のグラスを破壊。日本酒やワインなど、かなりの酒が入っている状態でしたが、何のことかと尋ねても、返答は全く見当違いの人格否定ばかり。
「嘘つき」「信用に値しない」「給与泥棒だ」などの、暴言に耐えられず黙っていると、同席していたパワハラ上司Aの上役から「かなり酒を飲んだみたいだから、もう帰って良いよ。私が話を聞いておくから」といわれ、私を逃がしてくれました。
後日「昨日は申し訳なかった」とパワハラ上司Aからは謝罪されましたが、叱責を受けた理由は全く身に覚えがないものばかりでした。決定的なことは、赴任先の社長Bの言うことと私の言うことが違っていたため、私の方が「嘘つき呼わばり」されたということです。
「ミーティングの相談など一言もなかった」「仕事をしているのかわからない」「客人との打ち合わせで訳のわからないことを言った」「全く業務の準備をせずに渡航してきて、遊びに来たとしか思えない」など、どれも濡れ衣です。
業務準備についてはパワハラ上司Aに言われるままにすべて準備・確認し、上司A自身が「これでOK」と合格を出したものなので、何か社長Bに反論しても良いようなものですが、すべて「準備不足は私の責任」と言うことになっていました。
しかし身に覚えがないといい説明しても、パワハラ上司Aは社長Bの言うことを信じて、私の方がしらばくれているのだろうと言います。何度話しても堂々巡りとなり、パワハラ上司Aに理解してもらおうとするのは諦めました。
ただ、まだ若かったこともあり、このとき退職が頭をよぎっていました。
実は社長Bは被害妄想が激しい性格で、しかも忘れっぽく、診断は降りていないが年齢から言って痴呆が入っていると裏話では有名でした。しかし、人と浅くしか付き合えないパワハラ上司Aの耳には届いていないのでしょう。社長Bの言うことは100%正しいと思い込んでいるようで取り付く島もありませんでした。