退職を強要した職場を労働基準監督署に訴え行政処分に追い込んだ話

退職の強要職場のトラブル
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パワハラ・モラハラなんて、TVの世界の出来事で、まさか身近なところでこんな大問題が起きるなんて、数年前までは思いもしませんでした。

パワハラかも?モラハラかも?と思った時には、意外に深刻な状況になっているけど、誰にも相談できない現実に直面してしまったら、どうしたら良いのでしょうか?

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退職を強要するかのようにジワジワと迫りくる嫌がらせ

専業主婦の姉と友人。学生時代から古墳や遺跡に興味があった二人は、発掘調査員のアルバイトに応募しました。募集定員が120名ということもあり、運よく合格した二人は、意気揚々と働き始めました。

以前は教員だった姉と、大学卒業すると同時に結婚し、長年専業主婦として暮らしてきた友人は、スコップや鍬を持ったこともなく、周囲の人と比べて作業成果をあげられません。それでも、グループ単位での仕事なので、経験者の方たちのアドバイスに従いながら、楽しく働いていたようです。

私の姉と友人が採用されたころは、指導員と呼ばれる正職員の方たちが「急がなくて大丈夫ですよ。競争するような仕事ではないので、慌てないでしっかり作業してくださいね。」などと、声をかけることもあったようです。

姉と友人は別々のグループに配置されましたが、それぞれメンバーに恵まれていたので「大変だけど、興味のあることだから楽しい」と二人で話していました。

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その当時、半年ごとに契約更新する発掘調査員は準公務員という扱いで、形式的に書類を出し、何事もなく契約更新されていました。

ただ、書類に有給休暇があると記載されているにも関わらず、有休がとれないことを不思議がっていましたが、土・日が休みの週休二日で、平日も休みが取りやすかったことから、不満は出ていなかったようです。

ところが、3年目の後半の契約が終了する際に、数十人の方たちが理由もなく契約更新されずに解雇されるという状況が発生しました。

すると、職場の雰囲気がガラリと変わり、あちらこちらで指導員に媚びを売ったり、ターゲットを決めて人の悪口をいう姿が見られるようになりました。

暑い夏の日に、熱中症気味でバテている人がいたら、「さぼりやがって」とわざと聞こえるように言ったり、大人の集まりとは到底思えない状況に、それぞれが人の顔色を伺うような状態になっていきます。

若い男の子や女の子は、委縮するばかりで言葉を発することすら、できなくなってしまいました。

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退職の強要がエスカレートしたのは指導員のせい?

妹としては「学校の先生をしていて、見てみぬふりをしていたの?」と姉に聞くと、「そんなわけないでしょ。」という答えが返ってきて安心したのを覚えています。

あの人は、腰が痛い、足が痛いって言っているんだから、やめればいいのに」と、他の人の悪口をいっている人に「みんな仲間なんだから、仲良く仕事しようよ。そんなこと言わないで」など、なるべく雰囲気が悪くならないように注意していたようです。

この職場は、Sという男性が責任者で、Mという事務方、現場に出てくる男性指導員のLとN、女性指導員のI、指導員補助の大学生数名が調査員と一緒に働いていました。

Sという責任者は調査員とあいさつを交わすこともなく、事務方をはじめ正職員の誰もが彼に絶対服従というような環境だったようです。

次第に彼のやり方が、現場にも影響を及ぼすようになり、一部の指導員が「トイレの回数が多い」「人の倍働くように」など、考えられない言葉を発するようになりました。

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姉がトイレに行った時などは、発掘現場から簡易トイレがある場所まで、かなりの距離があるにもかかわらず、少し時間がかかってしまったら、女性指導員のIが「あなたは、トイレが長すぎる」とたくさんの人の前で、名前を連呼しながら、威圧的に言い放ったそうです。

そんな指導員の姿を見ているので、足を怪我している人に対して「足が悪いんだったら、やめればいいのに」などと、わざと本人に聞こえるように話すような人も出てきました。

この指導員Iが、長年働いているベテランの調査員と一緒になって、変な雰囲気を作り、ベテランや指導員Iにすり寄っていく人と、若い人や新しくメンバーになった人の間で、大きな隔たりができてしまいました。

楽しく、和気あいあいと仕事をしていたころから、想像のできない雰囲気だったそうです。

私が、姉や友人に「指導員Iについて、上の人に相談してみたら?」というと「指導員Iは、責任者Sのご機嫌取りをしているから無理みたい」。

指導員補助の大学生も、指導員Iの横暴さに辟易しているけど「どうにもならない」と嘆いていたとか。

この状況に何も言えない若者は、次から次に転職先を探して、一人消え、二人消え、笑顔のない職場へと変わっていったようです。

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大事件発生!

嫌な雰囲気のまま、9月を迎え、次の契約更新を迎えました。

突然、指導員が、約60名の調査員を集め「これから、名前を呼ばれた人はくじを引いてください。」と話しだしました。もちろん、姉と友人は名前を呼ばれました。あまりのことに名前を呼ばれた約30人は、現場で責任者Sを呼んで、説明を求めました。

事務所にいた責任者Sは、現場に到着すると、ニヤニヤしながら、「能力別に選んだので、くじを引いてください。当たりが出たら契約できるのだから、問題ないでしょ。」と捨て台詞を放ったため、そこにいた人たちの怒りが爆発しました。

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不当なことは許さない!

責任者Sのあまりのやり方に怒りを覚えたのは、名前を呼ばれた人たちだけではありません。

調査員の中には、様々な企業で長年働いてきた方もたくさんいらっしゃったので、その人たちもいっしょになって、このおかしな状況を打破しなければと、戦い始めました。

まず、責任者Sの上司である自治体の課長・部長に話をしました。残念ながら、Sの上司だけあって、S以上にどうしようもない男性でした。

その後、責任者Sとその上司である課長は、名前を呼んだ数十人に、自分たちの正当性を示すために、成績表なるものを作成してきました。

その内容は、勤務状況・規律性・協調性・責任感・仕事の成果をそれぞれ5点満点で採点するというものです。

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ちなみに、姉と友人は勤務状況のみ5点で、残りは2点や1点という悲惨な結果。「学校の成績でこんなの取ったこともないのに」と、二人ともぼやいていました。

この件に関しては、パワハラ・モラハラと同時に人権問題に発展する要素を含んでいたので、労働基準監督署に相談することにしました。

姉や友人はもちろん、30人を超える人たちが、労働基準監督署の方に現状を訴えると、労働基準監督署の職員の方も丁寧に指導して下さいました。

この大事件は、会社で起こったのではなく、地方の自治体職員が引き起こしたものなので、さすがの調査官もあきれ返っていました。

いよいよ、労働基準監督署の調査が入り、責任者のS・課長・部長などに行政処分が下され、議会でも取り上げられました。

ただし、責任者Sは、大事件が起き、1か月もしないうちに「適応障害」の診断を受け、2か月の病気休暇を取り、みんなの前から一時的に姿を消しました。

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退職の強要は絶対に許してはいけない!

労働基準監督署の方々のおかげで、この職場の人はもちろん、今まで泣き寝入りをしてきた人たちも拍手喝采で終わりを迎えることができました。

ただ、残念なことは、責任者Sはその場から逃げ去り、その後の処理を自分の部下に丸投げし、知らぬ存ぜぬを貫いたこと!

今日現在、責任者Sは、何事もなかったように、再び発掘調査の責任者として、同じ部署に復帰しています。

責任者Sは、これで大丈夫と思っているようですが、実は、同じ役所の人間からも、白い目で見られていることを彼はまだ知りません。

必死で住民のために働く自治体職員がいる一方で、責任者Sのような人間がいるのも現実です。

責任者Sのようなズルい人間の好きなようにさせないためにも、「争うのは苦手」「争うくらいなら我慢する」という思い込みが、自分自身を苦しめてしまいます。

誰か話を聞いて」「どうにかして」と声をあげれば、手を差し伸べてくれる人はいるはずです。でも、声をあげなければ、誰も痛みや苦しみに気づくことはできません。

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■最後に半沢君からコメント

半沢君

退職を強要されている

退職を打ち明けてから嫌がらせを受けるようになった

労働基準監督署に退職について相談したい

退職に関する悩みを抱えている人は多いです。

退職を強要されるのも辛いし、退職を打ち明けて嫌がらせを受けるのも辛いですよね。

そういう時は、弁護士や公的機関に相談しましょう。「怖い」とか「辛い」という気持ちも含めて相談してみるとスッキリするはずです。

感情が渦巻いている間は冷静な判断が難しいです。そういう時こそ誰かに相談して一歩ずつ前に進むことが大事です。

私のLINE公式では、退職で悩んでいる方の悩みも聴いているので、愚痴や相談など吐き出したいことがあればいつでもご連絡ください。

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