あなたは家を決めるとき、どんなところを気にしますか?部屋の広さ、立地、賃料……。
どこを気にするかは人それぞれだと思います。
私の場合は、賃料でした。当時、大型犬を飼っていた私は地方から都市部へ移住することになり、室外で大型犬を飼育できる賃貸物件を探していました。
母と同居するということもあり、部屋も二部屋以上は欲しい。その条件は、ただでさえ賃料の高い都市部での家探しを難航させました。
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嫌がらせ常習犯の隣の部屋をわざと紹介してきた不動産屋
母と駅の近くを歩いていたときでした。たまたま条件に合う物件の看板が目に入り、そのままその不動産屋へ。笑顔が爽やかな20代の若い男性社員が私たちを迎えてくれました。
大型犬を外で飼育したいこと、なるべく賃料や初期費用を安くしたい旨を伝えると、すぐさまパソコンに向かって物件探しを開始。
なかなか条件に合う物件がないことが分かると、その男性社員は「これは弊社の取り扱い物件ではないのですが……」と、実家の近くで物件を貸し出しているという大家の物件を紹介してくれました。
築35年2DK。大型犬も室外で飼育できるという条件もあり、母とそこに入居することを決めました。
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入居当日から隣人の嫌がらせが始まる
引っ越し当日。荷物を入れ、一安心。母と私は疲れもあり、それぞれの部屋で就寝することになりました。
夜11時過ぎだったでしょうか。何やら怒声と泣き叫ぶ声がします。
「助けて!殺される!!」
小学生くらいの女の子が悲痛な声でそう叫んでいました。
母と私は飛び起き、その事の行方を見守っていましたが、怒声と泣き声は止む気配がありません。親の虐待で子どもが亡くなってしまうニュースが頭をよぎりました。
直接訪ねに行くのは危険だと判断し、警察に連絡。これでひとまず安心だと、その時は思ったのでした。
しかし、それは間違いでした。
これが悪夢の始まりだったのです。
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嫌がらせ常習犯の隣人親子と初めての対面
引っ越して1週間。深夜に始まる騒音は一向に止む気配はありません。その後も何度か警察に通報しましたが、実害がある訳ではないので注意のみでした。
連日の騒音で寝不足が続いていたとき、外で何か石のようなものがぶつかる音と、飼い犬の怯えたような声が聞こえました。飼い犬は老犬で、吠えることはほぼありません。
何かを察知した私は、犬がいる庭からではなく玄関側からそっと回り、音の主を見つけました。
それは小学校高学年くらいの女の子でした。私に見つかったのを悟ると一瞬ビクッとしましたが、その後は目を合わせず終始ニヤニヤしていました。母とともになぜそんなことをしたのか尋ねましたが、一向に口を開く様子はなく、ひたすらニヤニヤ。
ですが、冬に近づく季節のこと。薄着のその子は寒さからなのか、それとも罪悪感からか顔色も悪く、体をガタガタと震わせていました。
部屋から上着を持ってくるか尋ねると頷いたため、私の上着を貸し、再び問いただしていたその時、「うちの子に何をしているんですか!」
突如、近所中に響き渡るような大声で母親とおぼしき女性がこちらへ向けて怒鳴り声を上げてきました。突然のことに驚きましたが、とにかく冷静にならなくてはいけません。
「お宅のお子さんがうちの犬に石を投げていたので注意していました。お子さんもまだ小さいので、お母さんも降りてきてお話をしませんか?」
「いつまで拘束するつもりですか!!警察を呼びますよ!!」こちらの声は全く聞こえていないようです。その言葉通り、本当に警察を呼ばれ、分かれて事情聴取をすることに。
その際、連日続く騒音はこの親子(A親子とする)なのだということ、私が玄関側から回ったときにすれ違った女性は、石を投げていた女の子の母親だったことが分かりました。
母親は子どもが石を投げる様子を注意するどころかそのまま見過ごし、私たちに見つかりそうになると自分だけ真っ先に逃げていたのです。