都市部で暮らしていた私の友人。家族の事情により、地方の実家近くで家探しを始めました。彼女が家を決めるときの条件は、家賃や部屋の広さではなく、実家に近いこと。
家探しは難航するかに見えたのですが、拍子抜けするほどあっさり決まりました。
とにかく、実家に近いことが第一条件だったので(新築物件であることや部屋の間取り、家賃などにこだわらない)簡単に物件が決まった時には、本人だけでなく周囲の人たちも手放しで喜びました。
その物件というのが、彼女の実家の隣にある賃貸物件。広めの敷地に、大家となる高齢女性の住む家と、築35年以上の2DKの一軒家があり、この2DKの家を借家として貸し出していました。
彼女の前にも、何人かの方が借りていたようですが、賃貸物件にしていたはずなのに、手入れがされていないことが友人として気がかりでした。
そんなことよりも、実家に近いという条件をクリアしたこと、大家の方から破格の家賃を提示されたことで、入居することを決めました。
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大家の嫌がらせが少しずつ始まる
引っ越しの当日、荷物も運び入れ、ホッと一息ついていたところ、庭に繋がる木製のデッキの脚部分が腐食し、グラついていたので大家に伝えると、驚きの声が!
「グラついているんだったら、石を入れて高さを調節すればいいのよ。」といわれ、一同呆然としていると、どこからか石を持ってきて、デッキの脚にはめ込みました。
あっという間の出来事で呆れるばかりでしたが、たまたまだろうなぐらいにみんな思っていました。
それから数か月は、何事もなく穏やかな日が過ぎていったのですが、「家を借りたいと色々な人が言ってくるから、親戚がお金を出してリフォームしたらって、いうのよね。」なんて、大家が言い出しました。
友人は聞き流していましたが、ある日突然「実家が隣にあるあなたが、家を借りるなんておかしいって、近所の人たちが言っているから、今日明日にでも、出て行って欲しいの」と言われたそうです。
あまりのことにびっくりしたようですが、すぐに引っ越せるわけではないので、「家賃を値上げしていただいて構わないので、もう少し住まわせてはいただけませんか」と頼み込みました。
元々の家賃が10,000円と破格だったこともあり、15.000円アップの25,000円で借りることになりました。
友人は家賃が安かったことを気にして、腐食していた玄関の柱・庭のデッキの修理、サッシの入れ替え・広大な敷地の手入れ費用など、100万円ほど出費したようです。
友人としては腹立たしかったのですが、「これ以上、実家に近い物件は見つけられないから」という彼女の言葉に、黙っているしかありませんでした。
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留守中に誰かが出入りした形跡が…
友人はフリーのライターとして家で仕事をしていましたが、日中は実家に戻り家族の世話をすることが日課となっていました。ところが、ある日を境に、家へ戻ると人の気配を感じるようになったというようになりました。
良く分からなかったので詳しく聞いてみると、いつも定位置にあったものが移動していたり、あると思っていた物がなくなっていたり、この部屋に誰かが入っているような気がするということでした。
田舎なので、玄関は施錠していたようですが、庭へ繋がるデッキ横のサッシは、空気の入れ替えのために開けっ放しにしていたようです。
開けていたということもありますが、一度気になりだしたら止まらなくなり、借家には着替えや洗濯の時だけ戻るようになりました。
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本格的に始まった大家の嫌がらせ
実家に止まっていることに気が付いた大家は「庭に物置を立てて、住めばいいのよ」、「すぐに出て行って欲しいのだけど」と再び言い出すようになりました。
今までは黙っていた友人も「引っ越しするときは、せめて1か月前に話すのがルールですよ。私は1か月後は無理なので、2か月後に出ていきます」と伝えたそうです。
すると、「出ていかなくていいわよ」といわれました。このようなやり取りが約1年続いていました。
そんなある日。仕事の関係で数日家を空けることになった友人。久し振りに借家でお風呂に入ろうとすると、給湯器のスイッチが入らない!
驚いて調べてみると、外にあったボイラーが取り外されていたそうです。警察に被害届を出すことを勧めましたが、あまりの出来事にショックを受けた友人は、気力を失ってしまいました。
とりあえず、そのままの状態にして大家から何か言ってくるのを待つことにした友人。しかしそれでも知らないふりをしてとぼける大家。友人は家族の健康問題も抱えていたため、何も言わずに黙って数か月過ごしましたが、またしても事件が起きてしまいます。
ある日、全く使用していないにも関わらず6,000円を超えた水道代の請求書が届きました。水道会社に事情を話し、メーターが壊れていないか確認してもらうと“正常”とのこと。
物陰で水道会社の方と友人のやり取りを見ていた大家が「水道会社さん、おかしいんじゃない。使っていないって言っているのに。」と言い出したそうです。
友人は、いつもと異なる対応に驚いたそうですが…。その後も雨漏りがして天井が抜けたり、古い家のメンテナンスがほとんど行われていなかったことにより、友人は多大な損失をこうむりました。
家賃の値上げを借り手の側に言わせるための嫌がらせだったことに気づき、私を含めたくさんの人から「この家は出た方がいいよ」と勧められた友人は、ついに退去を決めました。
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自分の都合のいいように嘘ばかりつく大家
隣・近所ということで、友人家族とも面識があり、何十年と親しく付き合ってきた大家。そのことを気に掛けて、被害届を出さず、我慢していた友人でしたが、大家にとって隣・近所の人なんてことはどうでも良いことだったようです。
前家賃を2か月分納めていた友人は、「これだけは取り返す」といって、大家を尋ねました。その際も、お金を返し渋り、グダグダ言うので、「大家さんは勝手に、給湯器のボイラーを撤去しましたよね」と話したそうです。
すると、「あなたが水道を停めたから、取り外したしたのよ。問題ないでしょ。」と開き直ったので、「お風呂に入れないから、水道を停めました」といったら、「そんなことはない。水道を停めたから、ボイラーを外したの一点張り。」
最後まで自分に都合のいい嘘ばかり並べていたようです。
近所に住む方々から詳しくお話を伺うと「あの人のことは誰も相手にしないのよ。自分のいいように嘘ばかりつくから」ということでした。
ちなみに、友人が借りていた一軒家から取り外したボイラーを再び取り付けようとしたようですが、業者さんに断られ新しい給湯器を購入することになったようです。
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家探しは慎重に!そして隣人にも注意しよう
何気ない日常を過ごせることは意外に大変なことかもしれません。生活する上で大切な家。ここが安心できない場所になってしまったら、平穏な日々だけでなく、心身共に疲れ果ててしまいます。
家探しをする時、賃料・立地・新築などの目に見える条件で、物件を決めるのではなく、隣近所の人や雰囲気など、しっかり見極めることをおすすめします。
安心・安全な生活を守れるのは、不動産屋さんでも警察でもなく、自分自身しかいませんよ。
