「昔は休日も休まず出勤していた」という理由で休日出勤させようとするパワハラ上司

休日出勤を強要するパワハラ職場のトラブル
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強い口調で怒鳴ることだけが「パワハラ」だと思っている上司は少なくありません。私は過去に10回の転職経験がありますが、それぞれの会社に勤務していた当時を振り返ってみても「パワハラ」という言葉の意味を勘違いしている上司が多かったな~と思います。

そのことを最も強く感じたのが、建築士事務所に勤務している時でした。これからお話しする内容は、休日出勤させようとするパワハラ上司がいた、建築士事務所での私の実体験です。

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「昔は休日も休まず出勤していた」が口ぐせのパワハラ上司

私が勤めていた建築士事務所は、おもに店舗設計をする会社で設計から積算・リフォーム・外注などの業務を行っていました。社員5名の小規模な建築士事務所ですが、仕事の量は多く忙しい毎日でした。

そこの社長の口ぐせが「昔は休日も休まず出勤していた」という言葉で、部下に何か頼みごとをするたびにその言葉を使っていました。

最初はやわらかい優しい口調で「M君ごめんだけどさー、ちょっと急ぎの仕事が入ったもんだから、この現場の積算をお願いできないかなぁ?」といった具合にお願いされます。無理じゃない限りは、「はい、わかりました」と答えるますが、忙しいときは「いやあ、ちょっと無理ですねー」と断ります。

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すると「いやあ、急ぎの仕事を終わらせないと給料払うの厳しんだよねー」と、社員がゾッとするような言葉を平気で言うのです。さすがに給料を貰えないのは厳しいので、頼まれた社員は「わかりました、やります」と言うしかありません。

そこで社長が「いやあ助かった、ありがとう」「忙しいとは思うけど、お願いします」と言ったあとに「昔は休日も休まず出勤していたなぁ」というお決まりの流れがやってきます。頼まれた仕事のほとんどは、面倒くさい内容で時間がかかるものが多く、残業はもちろんのこと、休日出勤しないと終わらせることができない仕事でした。

ここまでの話の流れだと「それはしょうがないのでは?」と思う方もいるかも知れません。しかし社長がいつも言う「急ぎの仕事」とは、自身の自由時間をつくるために作った嘘なのです。

社員にとって社長は、いつも「昔は休日も休まず出勤していた」という言葉を使って、部下を休日出勤をさせようとするパワハラ上司。強い口調で怒鳴らなくてもパワハラはパワハラです。

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休日出勤してパワハラ上司に褒められても休日出勤がなくならない

そんな職場環境の中で、私は「どうやったら休日出勤をなくせるだろうか?」と一生懸命考えました。いちばん良いのは、社長に仕事を頑張ってこなしてもらって「昔は休日も休まず出勤していた」というパワハラが少なくなることなのですが・・。すぐに改善するとは思えません。

しかし、このままでは退職者が増え続け会社が倒産してしまうと思ったので、私が社長から頼まれる仕事を全て引き受けて休日出勤すれば、他の社員が休日出勤しなくて良くなり、職場は改善するのではないかと考えました。

(当時私は離婚して独り身だったので、休みの日と言っても特に何もすることがなく、仕事をすることで落ち込んでいた気分を紛らわしたかった、というのが本音ですけど・・・)

そうすれば、他の社員は休日出勤が減って家族サービスができるし、パワハラも少なくなって職場の環境が良くなることを期待しました。だけど私が最も期待していたのは、私の頑張る姿を見て社長自身が変わってくれることでした。

ところが、私のこの行動がパワハラ上司のパワハラを加速させる引き金になってしまったのです。

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パワハラが嫌で休日出勤を繰り返してしまった結果

結果から言うと、社長は会社に出勤しなくなりました

私が休日出勤を始めたころ、パワハラ上司のパワハラ発言が少なくなり順調かなぁと思っていました。しかし、私が頼まれた仕事をこなせると知った途端、仕事量がどんどん増えていき、私一人では無理な状態になってしまいました(この頃の社長は午前中だけ仕事をして、午後からは毎日帰る状態)

すると、他の社員にも再び休日出勤させるパワハラを始めました(この頃の社長は出社後、朝礼だけ参加して帰るという状態)

最終的に社長は、今までよりも多くの仕事を受注し、その仕事を全て社員に丸投げするようになりました(この頃の社長は、会社に全く出社しなくなっていました)

受注数が増えたため、会社の業績は伸び続けていたのですが、社員は徐々に辞めていきました。残った社員の負担が増大し、最終的に私を含め社員5名は全員退職してしまいました。

そして1年後、会社は倒産してしまいました。

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休日出勤の強要はパワハラ!すぐに誰かに相談しよう

私は当時の経験を通じて「休日出勤はするべきではない!」ということを痛感しました。と同時に、誰にも相談せずに一人で休日出勤を引き受けてしまったことを反省しています。なぜなら「もしあの時、休日出勤を断り続けていれば。今とは違った結果になったのではないか?」と思うからです。

この記事を見ている方の中にも、昔の私みたいに休日出勤を強要されるパワハラを受けている人もいるでしょう。そんなあなたに私から言えることは「まずは休日出勤を断ること!」です。

それでもダメなら「労働基準監督署や弁護士に相談して業務改善してもらう」という方法がおすすめです。とにかく1人で抱え込まず誰かに相談することが解決に繋がります。

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