継母の連れ子に父の相続遺産の半分を奪われた悔しい体験談

連れ子に相続された家族のトラブル
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35年間、隠されていた「継母の連れ子」の存在

35年前の秋、私たち3人兄弟の父は、再婚しました。
私たちの母である妻を4年前に亡くし、男手ひとりで3人兄弟を育ててくれた父。

当時兄2人は社会人として働いており、父の将来も配慮した上で再婚に賛成でした。
ひと回り年の離れた小学6年のわたしのことが、気がかりだったようです。
母親のいないわたしを不憫に思い、また自分自身の将来の伴侶を求め、再婚を決めた、
と父は生前に語っていました。

父が他界した6年目、その父の後を追うように、継母もこの世を去りました。

「問題」が発覚したのは、継母の亡くなった後でした。
相続の手続きのため、継母の戸籍謄本を求めた時に、35年間もの間、
誰にも知らされなかった「連れ子の存在」が発覚したのです。

20代の頃、2人の幼な子を残し、離婚していた継母。

生前、父や継母からは一言も「連れ子」の話はありませんでした。
「離婚経験はあるが、子供はいない」と聞かされていた、私たち兄弟にとって、
継母の「連れ子の存在」はほんとうにショックでした。

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養子縁組されていなかった「継母」と「私たち兄弟」

「継母に連れ子がいる」これ以上にショックだったこと。

「継母」と私たち兄弟は、「養子縁組されていなかった」のです。
かんたんに言えば、継母と私たち兄弟は、「赤の他人」だったのです。

「養子縁組」をされていない、これは法律上、継母と私たち兄弟は、他人関係
となります。 たとえ、35年間、生活を共にしてきた事実があったとしても
相続の対象とはならない。

恥ずかしい話ですが、父が亡くなった時点で、この件を確認すべきだったと
悔やんでも悔やみきれません。

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名義変更がもたらした悲劇

父は、3人の子連れ男と再婚してくれた継母にたいへん感謝していました。
時間を見つけては、2人で海外や日本各地への旅行を楽しんでいました、

古希を迎えた父は、自分が先立った時、残された継母が困らないように、
いくつかの不動産の名義を継母の名義へ変更していました。

賃貸アパート、管理会社からの振込先銀行口座は、
いずれも父の名義から継母へと変更されていました。

突然起きた父の死。
父が、心臓発作で亡くなった後、私たち兄弟の知らない間に、父の預貯金の名義が
継母名義へと変更されていました。合計数百万の金額です。
普通の家族、夫婦なら当たり前のことかもしれません。

その数百万の預貯金が、継母名義の口座へ変更されたことに対して、
私たち兄弟はこの件が、あとで大きな悲劇になることなど、まったく予想もできませんでした。

以下 不動産関係・預貯金関係 をまとめると

  • 賃貸アパートの建物(継母名義)、土地(父名義)
  • 賃貸アパートの家賃収入振り込み口座、継母名義
  • 実家(土地・建物)父名義
  • 預貯金 生前父名義 → 父が亡くなった後 継母名義へ

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継母の連れ子と初めての対面

継母が亡くなったあと、連れ子2名(兄妹)が、自宅へ訪れました。
事前に、相続に関する知識を得ていたようで、自分たちが優位な立場であることを
認識しているようでした。

遺産相続に対する相手方の言い分は、下記のようなものでした。
「昔、私たち兄妹は、実母に捨てられ、とても寂しい思いをした」
「その時の償いの意味も込め、相続できるものはすべて譲り受けたい」
わかりやすく言えば、「もらえるものは全部もらう」こんな感じです。

相手方から言われるがまま、兄が継母名義の預貯金通帳と印鑑を渡しました。
父が、今まで一生懸命働いて貯めてきたお金。
子連れの自分へ嫁いでくれた継母のために貯めたお金。
そのお金が、一瞬で見知らぬ人へ渡されたのです。

やるせない思い、悔しい思い、他に方法はなかったのか?
色々な思いが頭をよぎったことを、昨日の出来事のように思い出します。

この時、「仏様(継母)の面倒を誰が見るのか」という話となりました。

継母は、亡父と同じ寺で永眠しているので、こちらで見守るとの条件で、
連れ子側は「実家」は、相続の対象としない旨、口頭での話し合いを終えました。
この時、書面にまとめなかったことが、後の大きな後悔へつながります。

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「実家」も手放す結果へ

月日が流れ、3年を過ぎた頃、相手方(連れ子の兄)が、
実家の相続を言い出してきました。 悪い予感は、当たるものです。

「相続分相当のお金」で解決したいと連絡です。
実家の土地評価額を入念に調べた上で連絡しており、相当な金額の提示でした。
突然相続の件を言い出した要因は、近隣の土地開発で、
実家の地価が上昇していたことと関係があったのかもしれません。

以前、話し合った供養の件を伝えても、
約束したわけではない。また、こちらには、正当な法律上の権利がある
の一点張りで、譲る気持ちは、さらさら無い感じです。

無職に加え高齢で、ギリギリの年金生活を営む兄たち、
一括してまとまったお金を払えるほどの蓄えもない私。
私たち兄弟に、「相続分相当のお金」の工面は、不可能な状況でした。

実家を売りに出すしか、他に方法が無い。
兄弟で話し合った結果、「実家を売却」との結論になりました。

長年住み慣れた「実家」を手放さざるを得ない状況。
お金の工面ができなかった悔しさ、情けなさ、やるせなさ
亡父へ対して、実家を守れなかった申し訳なさ

今思い出しても、胸が締めつけられる思いです。

こうして35年間住み慣れた「実家」は、
跡形もなく解体され、更地となって、売却されました。

以上が、私の理不尽な体験談でした。

相続や民法に詳しい弁護士さんへ、もっと早く相談すれば、
違った解決法もあったのではないか、と心の底から後悔する日々です。

高齢化がすすむ日本では、わたしと似たような体験をする方が今後ますます
増えると予想されます。
私の体験談を読まれ、いつか必ず起こる「相続」について、読者さまの参考になれば幸いです。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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