理想の上司と思ったのに・・実は暴言を吐きまくるパワハラ上司だった!
数年前、私は将来の事を考えて宅建士の資格を取得し、不動産関連会社への就職活動を行っていました。当時、年齢が37歳ということで不安はあったのですが、3社ほど面接試験を受けて、何とか1社の営業部で採用が決まりました。会社は全国的にも支店があり、アパートやマンションの提案から販売・施工、入居者の管理までを行う業界でも大手の企業です。
営業の仕事内容は、空地や遊休地を探しだしてアパートやマンションの賃貸経営の提案・受注をするという業務になります。
直属の上司となる支店長は、赴任してきてから間もないという事で、支店での仕事期間はあまり私と変わらないということでした。私と同じく実家が農業をしている事や、たまに手伝いに帰ることなどの共通点も多く、とても好感が持てました。
仕事面でも営業指導はもちろんのことですが、工事・仲介・管理の各部署へ的確に指示を出す姿が、まさに「仕事ができる理想の上司だな」と思えました。支店全体が毎日明るい雰囲気で、社内でも笑い声が聞こえていたのをはっきりと覚えています。
ところが、理想の上司と思えたこの支店長は、実は暴言を吐きまくるパワハラ上司だったのです。
⇒パワハラ上司に巻き込まれた時に言い返す自信がない人におすすめの「弁護士保険」とは?
パワハラ上司の暴言は翌月の会議から始まった
入社して2ヶ月目の月初営業会議のときに、支店長の態度は一気に豹変します。それは、営業マン10名が会議室に移動して着席した瞬間、支店長の一言から始まりました。
支店長は、「おい、おまえ鍵をかけろ!」と大声で叫び、出入口の一番近くにいた先輩社員を見てアゴで命令しました。こわばった表情で、先輩社員が慌ててドアをロックします。
それから、成績不振の部下を中心に次々と支店長の口からけんかごし、とも言えるような暴言が吐かれ続けます。
先輩社員に対しては、「おまえ何年この仕事やっとるんや?この給料泥棒が・・。」、「結果が出てないんやったら、仕事してないのと同じことやろうが!!」等々。
パワハラと言える暴言は、「はい」とか「やります」、「違います」等の言葉でしか返事することができず、時間だけが過ぎていきます。
私はこの時、「営業は数字の世界だからしょうがないよな、こんなこと言われないように自分もはやく仕事を覚えて成績を上げよう」、(自分はまだ言われることはないだろう)と思いながら黙って聞いていました。
しかし、会議開始から30分位経った頃、入社2ヶ月目の私に対して吐かれた暴言を今でも、いや生涯忘れることはないでしょう。
「おまえ、新人だから言われないと思ったら大間違いやぞ!」
「この百姓の詐欺師があ!!」と・・・。
怒りに震える自分を抑え、返事することなく黙っていました。
支店長も実家が農業をしているのに、なぜそんな言葉が出たのか理解できないまま、みんな唖然としていた光景を今でも覚えています。
会議は約3時間程でやっと終わり、営業マン全員が「成績不振だったら営業会議で言われるのは仕方ない」と、おそらく思っていたことでしょう。
でもこの日から、パワハラ上司の暴言は会議だけにとどまらず、他の部署へも矛先が向けられるようになったのです。
⇒パワハラ上司に巻き込まれた時に言い返す自信がない人におすすめの「弁護士保険」とは?
パワハラ上司の暴言にビクビクする毎日
会議の翌日から、営業以外の各部署への暴言も始まりました。職場全体で行う朝礼や終礼時など、毎日のように誰かがターゲットにされ会議の時のような暴言を吐かれるのです。
とくに、建物の設計から完成引渡しまでを行う工事部には、完工入金(=支店長の歩合給)が絡むためか、すさまじいものがありました。
通常、どんなに急いでも最低3日はかかるマンションの設計では、「1日で仕上げろ!そのかわり残業はするな、俺の給料を減らしたいのか・・・」等々、もうムチャクチャです。
終いには、「おまえら、パワハラされてるって本社に言っていいんだぞ!俺はいつでも支店長やめていいんだから」、という言葉が頻繁にでるようになりましたが、誰も勇気を出して本社へ報告することはできませんでした。
私自身、「今日は誰がターゲットになるのだろうか?」、「暴言は吐かれたけど、あの人よりはマシだった・・。」など、毎日ビクビクしながら仕事をしていました。