わたしには他県で暮らしている両親がいます。父は数年前に定年を迎え、単身赴任や出張で家を空けることが多かったのを取り返すかのようにいろいろな趣味を持ち始めました。
中でもカメラにはのめり込み、母と旅行に行って写真を撮るのを楽しみにしていました。子供や孫が遊びに来ると、お土産と写真を見せて嬉しそうに旅行の話をします。
おいしいごはんや、きれいな景色、温泉。色々なところに行って、のんびりするのが老後の楽しみだと。今度は孫たちも連れて一緒に行こうね、なんて話していました。
ある日、母が「ヘルニアの手術を受けることにしたよ」と連絡してきました。
「リハビリも併せて1週間くらいだって。お父さんその間わんこ(犬)と二人よ。あはは」大した手術じゃないの、リハビリが長いの~と明るい母。
「なんか手伝いに行こうか?お父さんのご飯とか」
「いいわよ、こども連れてその体で来るの大変でしょ。お父さん頑張るって言ってるわよ。」
当時私は第二子を妊娠中で、2か月後に里帰りで出産の予定でした。本当に大したことじゃないし、お父さんが洗濯とかしてくれるって。すごいよね。家にいるようになってから家事スキルが上がってるのよ。と嬉しそう。
「お父さんが無理なら、近所に妹夫婦も住んでるし、手伝ってもらうよ、大丈夫。」
手術は順調に終了しました。
「リハビリはじめて順調だよ~ここはご飯おいしいよ♪」とLINE。わたしが前に入院した病院でご飯がまずかったとさんざん言っていたのをからかってきました。
「ごはんしっかり食べてリハビリ頑張ってね!」孫のガッツポーズの写真とともに送信。母とやり取りができたのはこれで最後でした。
⇒病院とのトラブルに巻き込まれた時に言い返す自信がない人におすすめの「弁護士保険」とは?
早朝。父から着信。まだ仕事行くまで早いのに~・・・何よ~・・・。と、電話に出ると。
「お母さんが倒れた。」と。突然のことに寝起きの頭が付いていけず
「え?何?なんで??え・・入院してたんじゃないの?」
「入院先の病院で倒れた。今病院ついたとこだけど、お前はどうする?」
何で入院してる病院で倒れるの?病院って見てくれてるんじゃないの??そして何で病院から連絡あった時点で私に連絡してこないのよ・・・一番遠いのに。色々疑問があったが、とにかく向かうことにしました。
上司に病院に向かう旨伝え、こどもの保育園に休みの電話をして準備していると、妹から電話。
「お姉ちゃん、行くの?私も家族で向かうし、病院まで駅から距離あるし迎えに行くよ!
途中の○○駅まで来れる?」
妹も状況があまりわからないようだったが、近いのですぐ病院に着けるようでした。私は電車で途中まで向かっても1時間はかかります。その間逐一状況を報告してくれることになりました。
⇒病院とのトラブルに巻き込まれた時に言い返す自信がない人におすすめの「弁護士保険」とは?
「お母さん、意識がありません。いつ倒れたかわからないみたい。」
「は?!病院でしょ??いつ倒れたかわからんて何よ?」
「この病院では処置できないから、総合病院行ってくれって言われた!これから救急車で搬送されるみたい!」だから、何なのその病院!!
総合病院に直接向かうことにして、妹にはそのまま説明を聞いてもらうことした。父は憔悴していて、冷静に話が聞け無さそうだったので。
「脳梗塞みたい。S病院(もともと入院していた病院)の処置が遅かったみたいで、いま救命センターに入って処置受けてるけどどうなるか・・・。」
S病院め!!
タクシーにぶっ飛ばしてもらったが、1時間半ほどかかりました。受付で、血相変えて母の名前を伝えると、救命センターにはこどもは入れないので、控室にご案内します。と。妹の家族がいました。